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道内で増え続けるエゾシカ。
 このシカが原因で別の動物が思わぬ形で事故に巻き込まれるケースが増えています。
 その被害を減らす新たな取り組みです。

 線路を我が物顔に走り回るエゾシカ。
 列車との衝突事故が後を絶ちません。
 2021年度は過去最多の2632件。
 平均すると毎日、道内のどこかで7件以上、衝突が起きています。
 この事故に絶滅が危ぶまれている動物が思わぬ形で巻き込まれているのです。
 JRとエゾシカの衝突は2021年度で2600件あまり。
 事故がおきると運転士は死骸を線路わきに移動し、安全を確認してから運転を再開します。
 その後、別の職員が死骸を回収しますが、その間に、ある問題が…

 山上暢記者)
 「(シカの死がいの周りに)オオワシが群がっています」。

 国の天然記念物・オオワシ。
 線路脇のシカの死骸を食べるために集まっています。
 列車が近づくと飛び去るもののその際、列車と衝突して命を落とすケースが後を断ちません。

 猛禽類医学研究所 渡辺有希子副代表)
 「線路わきにそのまま放置されているシカの死がいというのは、ワシにとってみれば、自分で獲物として捕らえなくてもそこにある美味しいご飯になってしまう」。

 ケガをしたワシや死骸は、釧路市の猛禽類医学研究所に運ばれます。
 昨年度はオジロワシ13羽、オオワシ8羽が列車と接触したことが確認されています。
 ワシを事故から守るため猛禽類医学研究所と環境省がJRの協力を得て開発したのがシカの死骸を覆い隠すシートです。

 櫻井靖大記者)
 「こちらのシートは、約1・5mほどの大きさで、大人のメスのワシが入る大きさということです。
 頭のほうは二重の作りになっていて、ワシの爪で破られないように強度があがっている」。

 猛禽類医学研究所 渡辺有希子副代表)
 「(ワシの)翼がちぎれてしまったり、体がつぶされたり、轢断されてしまったり、ほとんどが死亡事例につながる。
 列車とシカがぶつかってしまったときにシートを使うことで、他の鳥が来ないようにまずはやってみたい」。

 このシカの死骸を覆い隠すシートは2023年度、JR北海道釧路支社で実証実験を行いながら改良を重ね実用化を目指すということです。

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