2020 06 26 京都大学・ 不祥事・懲戒処分・教授ら4人・研究費 不正支出・5億円/霊長類 研究所 工事で架空取り引きなどを繰り返し・入札妨害など、あわせて34件の不正

2020 06 26 京都大学・ 不祥事・懲戒処分・教授ら4人・研究費 不正支出・5億円/霊長類 研究所 工事で架空取り引きなどを繰り返し・入札妨害など、あわせて34件の不正

京都大学霊長類研究所の教授ら4人が、チンパンジーの飼育施設の工事をめぐって、研究費5億円余りを不正に支出していた問題で、大学は26日、調査結果を公表し、教授らが過大な支出や架空取り引きを繰り返していたとして、懲戒処分を行う方針を明らかにしました。

京都大学霊長類研究所の元所長の松沢哲郎特別教授と友永雅己教授ら4人は、平成26年度までの4年間、研究所や関連施設のチンパンジーのおりの工事で架空取り引きなどを繰り返し、総額5億円余りの不正な支出をしていました。
京都大学は、26日、記者会見を開いて調査結果を公表し、潮見佳男副学長が、「関係者や国民の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くおわびします」と謝罪しました。
大学の調査では、▽契約後の不適切な仕様変更による過大な支出や、▽架空の取り引き、それに、▽入札妨害など、あわせて34件の不正が確認されたということです。
こうした不正は、取り引きを通して業者に発生した赤字を補てんするために行ったとみられ、調査に対しては、教授らは「窮状を訴える取引業者を何とかしてあげたかった」と話しているということです。
大学側は、チンパンジー研究という分野の特殊性から特定の業者に取り引きを依存し、順法意識の欠如や会計制度の軽視があったとしていて、今後、4人の懲戒処分を行う方針です。
また、納品された設備の検査の徹底や契約手続きのチェック体制を強化するなどして、再発防止にも取り組むことにしています。
一方、今回の不正について、松沢特別教授は、NHKのこれまでの取材に対し「コメントできない」としています。

【京都大学霊長類研究所とは】
愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所は、日本で唯一の霊長類学の拠点として、昭和42年に設立されました。
昨年度末の時点で、ニホンザルやチンパンジーなど7種類の霊長類、およそ1100匹を飼育しています。
▽5つの研究部門、▽10の分野があり「ヒトとは何か」をテーマに、進化や認知科学、それに脳や遺伝子に至るまで霊長類に関する幅広い研究を行っています。
平成21年には「国際共同先端研究センター」を発足し、外国人の教員の採用や留学生の受け入れを進めるなど、国際的な霊長類学の研究拠点となっています。

【松沢哲郎特別教授とは】
京都大学高等研究院の松沢哲郎特別教授は、チンパンジーの生態についての研究で知られ、平成18年から24年までの間、京都大学霊長類研究所の所長を務めました。
「アイ」と名付けられたメスのチンパンジーの研究を40年以上続け、チンパンジーに、▽人間並みの記憶力があることや、▽教育や文化のようなものが存在することを実験や観察を通じて明らかにしました。
また、チンパンジーとの比較を通して、人間の認識や行動がいかに進化したかの解明にも取り組んできました。
こうした功績が認められ、平成25年には文化功労者に選ばれています。

【工事業者の主張は】
工事を請け負った業者によりますと、京都大学霊長類研究所で不正が行われるきっかけとなったのは、平成23年に行われたチンパンジーのおりの3つの工事契約だということです。
この業者は、大学が確保した予算を大幅に上回る工事でしたが、将来、別の工事で赤字を補填する約束とされたため、実際より低い価格で入札したと主張しています。
この施行業者は、「入札前に松沢特別教授と面会した際、今後も自分には大きな予算がつくと言っていたので、いずれ埋め合わせをしてくれると信じた。以前から小さな案件で予算が足りないが受注してくれないかと頼まれたことがあり、なれ合いになっていた」と話していました。
その後、松沢特別教授らは、この業者の赤字を補てんするため、▽納入実態のない架空の取り引きや、▽利益が出るように仕様書と異なる簡略化した工事を行わせるなど、不正な支出を繰り返していたということです。

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